農家の想い

農家の想い

信州松本入山辺地区では、かつて主流品種だったナイアガラぶどうが、シャインマスカットなどの高収入品種に押され、栽培面積が減少しています。高齢化が進み、続けられなくなった農家は、ぶどうの木を切り倒してしまうことも増えており、美しく広がっているぶどう畑が次第に失われつつある現状は、地元の農家として胸が痛みます。

ぶどう農家を持続可能なものにするために、収益性の高い品種に転換することや、就農する若者を増やすことが重要です。この地域で長く親しまれ、特有の香りと甘さで多くの人を魅了してきたナイアガラぶどうは、地域の歴史や文化の一部でもあります。また、最近の気候変動によって、どの品種が今後栽培可能でなくなるかわからない状況では、多様性を認めることも必要です。

ナイアガラを守る闘いは、ただのノスタルジーではありません。この品種を生かし、新たな価値を生み出すことが、地域農業の未来を支える道にもつながるのではないでしょうか。

ナイアガラぶどうを守るには、地元の農家だけでなく、地域全体での取り組みが不可欠です。農家としては、ナイアガラの価値を改めて見直し、商品化や観光資源化を進めることが課題だと感じています。破棄されてしまうナイアガラの実の部分を活用した化粧品や加工品を開発することで、消費者にその魅力を伝えるだけでなく、農家の収益増加にもつながることができます。また、このぶどうエッセンスローションを通じて、ナイアガラぶどうを知ってくださる消費者さんが、収穫体験やワイン造り体験など、観光との融合もできる可能性があるでしょう。

さらに、農家を増やすには、若い世代が就農しやすい環境づくりが必要です。ナイアガラの栽培が地域的・歴史的な価値を発信し、誇りを持って取り組むことが大切だと、歴史をつなぐだけでなく、「ナイアガラを守り、未来に伝える」という使命感を共有することができれば、地域全体で多様性のある農業を育てていけるはずです。

私たち農家にとって、ナイアガラぶどうはただの農産物ではなく、地域の豊かな象徴するものだと思っています。どうか、この商品を手にしていただく方が、ぶどうエキスの芳醇な香りとともに、自然の恵み豊かなぶどう畑の光景を思い出していただけましたら幸いです。

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